経営力を高める為の営業再設計コラム ~ 明日の営業力を高める気づきをめざして ~
2015.07.01 第21回 マクドナルドの失敗から学ぶ営業改善の本質
━【 今回のテーマ 】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
マクドナルドの失敗から学ぶ営業改善の本質
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先日ある社長さんとの雑談で、マクドナルドの業績が悪化した
原因についてお話をする機会がありました。
異物混入や賞味期限切れなどで窮地にたたされている同社ですが、
大森は、企業訪問の際、時間調整の場所として利用させていただいており、
100円のコーヒーで何時間もねばれて、加えて駐車場が無料なので大ファンなのです。
ここは、なんとかたち直ってほしいと思っています。(笑)
お話をした社長さんは食品メーカーで同じ食べ物を扱うということ、
加えて非常に勉強熱心ということもあり、このことについて熱く
語ってくださいました。
社長さん曰く
「同社の問題は大きく2つあります。ひとつは外資系によくある株主資本主義、
もうひとつは役員の怠慢です。」
大森言
「前者は私にも外資系にいましたので、なんとなく分かります。
でも、今は経営と営業の支援を中心にしていますので、後者
には非常に興味があるのですが」
社長さんはさらに熱くなり
「怠慢の理由はいくつかあげることができると思いますが、そのひとつが
FC化を急ぎ過ぎた為、現場の自律性が失われたことがあります。」
大森言
「現場の自律性ですか?なんとなく私がいつもお話をしていること
に似ていますね?」
社長さん曰く
「似てる? だって、マクドナルドは小売業ですよ。
大森さんのいうコンサルティング営業って、法人相手ではないですか
何が似ているっていうのですか?」
大森言
「確かに顧客が一般消費者か?法人か?という点では異なりますが、
問題の本質は同じですよ。」
社長さんは喰いつくように
「本質は同じ?」
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□◆ 営業という視点から学ぶべき教訓
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同社の問題のひとつは急ぎ過ぎたFC化との社長さんの言でした。
確かに急拡大をしたときに、どこかで歪がでてくるのは
よくある話です。
私も中小企業で急成長した後に、いきなり倒産という企業を
たくさん見てきました。
先日も、同じ飲食店で5店舗経営している社長さんの
消息が不明になりました。
一方で、業態を変えながらも店舗展開をしている社長さんは
地元での野菜づくりを礎にしながら、一歩一歩確実に
「いいものを!」とすきを見せない経営に心がけておられます。
いそがば回れ
急成長・急拡大している裏側には必ずといっていいほど、経営者の
眼に届かない問題が潜んでいるということです。
これは、事業規模の拡大に合わせて、経営の足もとである現場を
どれだけ固める事ができているのか?
と表現できるかもしれません。
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□◆ 商談現場でつくる自律した営業マン像
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経営者の眼に届かない問題点を解決する為には
現場で発生する種々な事象の良しあしの判断を現場に
依存せざるをえません。
その為にとりくむべきことは「現場での自律」です。
過日、同社で店長を務める友人から、少しだけマニュアルを
見せてもらいましたが、それはそれは立派な内容でした。
しかし、FC化でどれだけ精緻なマニュアルができたとしても
使用するのは、血の通った人間です。
マニュアルを基本としながらも、現場の人たちが自分の発言や行い
に対して、規律をたてるようにする雰囲気をつくることが大切です。
そういう意味で、「店舗での接客カウンター」と
「法人営業の商談の場」は同じ環境なのです。
最後は、1人の現場を預かる人間として、どこでどのように判断するのかが
会社の業績を大きく左右すると言って過言ではありません。
接客カウンターや短期的な販売戦略やプロモーションだけに陥らないよう
商談現場で改善すべき本質を常に見失わないよう示唆しなければ
いけません。
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□◆ 効果的な「もし、商談をやりなおせるならば」
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私が社長さんや営業マンとの会話の中でで、商談に失注した際
よく質問する言葉があります。
それは
「商談の中でもしフイルムが巻戻るとしたら、どこまで戻したいですか?
その際どのようにすれば、この商談が受注できる確率が高まった、
もしくは営業活動が効率化できたと思いますか?」
です。
振り返りの例として
「社長に面談するタイミングを間違った」
「担当者へのあの一言が余分だった」
「そもそも、面談する人を間違っていた」
等など
こんな会話をじっくりとする中から、営業マンの中に次の糧となる
良き商談ができる自律の心が養われてきます。
営業マンは商談現場ではほとんどの場合、孤軍奮闘で悩んでいます。
加えて、営業マンが自律した営業としての芽がでてくるのも、
その商談現場なのです。
この自律・自発性がコンサルティング営業として企業に
与える大きなインパクトなのです。
貴社は現場で悩む営業マンが自律できる環境ができていますか?
最後までお読みいただきありがとうございます。