経営力を高める為の営業再設計コラム ~ 明日の営業力を高める気づきをめざして ~
2014.11.15 第6回 営業組織でよく見かけるアンバランス
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経営力を高める営業再設計コラム 第6回 2014/11/15
~ 明日の営業力を高める気づきをめざして ~
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みなさん、こんにちは!
アクトコンサルタントの大森 啓司です。
月2回ではありますが、経営者が営業マンの意識を変える為の気づきに
なるコラムを発信します。
お時間のある際に、ぜひお読みください。
━【 今回のテーマ 】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
営業組織でよく見かけるアンバランス
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先日、久しぶりに中小企業の営業部長さんとお話しする
機会がありました。
営業部長といいましても元来管理畑の方で、
現在は4つの課で20名の営業部員がおり、
全国の販社を任されています。
ご本人はどちらかというと営業部長らしくなく、おとなしいタイプです。
しかし、部下を見る観察力・洞察力はすばらしく、「営業」として内に
秘めたるオーラを感じるところがあります。
そんな部長さんとの一コマです。
部長「うちの営業部はベテラン営業と若い営業の年令差が大きいのです。
ベテラン営業マンは、自分の顧客を囲い込んでしまいます。
そして、営業活動は全て自分がやってしまうのです。
ただ、数字もあがっているので、私も何も言えず困っています。」
大森「部下育成の視点がないという事ですね。」
部長「その通りです。」
大森「若い営業はどうやって、自分の営業スタイルを構築しようとしているのですか?」
部長「うちは中小企業なので、メーカーからの新商品説明の研修はありますが、
営業スキルを育成する研修などの余裕はありません。」
大森「現場で学べ!OJTだけですね。」
部長「その通りです。」
大森「でも、ベテランの営業マンは新人を育てる
意識がないのですよね。」
部長「はい、仕事のスタイル含めて意識を変えようという
発想がなくて、こまっています。」
今回は、このようなお困りケースの体験談を過去の経験から
まとめてみました。
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□◆ 環境の変化に意識しないベテラン営業マン
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ベテランの営業マン程、過去の栄光を求めて既得権を
固執し、居座るケースをたくさん見てきました。
転職経験がない、営業経験の長い方に多い傾向にあります。
社長や」営業管理職から見ると「お荷物」をかかえていると思うかも
しれませんが、そうではありません。
現有資源の人財をどのように活用するかは
営業管理職そして社長の大切な責務です。
社長が「だめだ、あいつは!」と愚痴ったところで何の問題解決
にもなりません。
ここは心を鬼にして事にあたらなければ、こちら(会社)が
おかしくなってしまいます。
このような過去から意識を変えない営業マン対応の
要望をたくさん受けてきました。
なかなか手ごわいですが、外部の人間(講師)だから
できる事があるかもしれません。
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□◆ 形だけの営業研修
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先日、とある企業から
「初めてのソリューション営業」に向けての研修講師の
依頼がありました。
担当の方との打ち合わせで訪問した際に、、、
はぎれが悪いのです。
よく聞いていますと、、、
実はリストラ寸前の人達への営業スキル向上と
マーケティングの研修でした。
目標はソリューションなのですが、営業経験のない人、
しかも全員が45歳の営業経験なしと聞き、無理と断言しました。
担当者から見れば、研修を受けさせたという実績を作りたいと
いうのが本音でした。
「もう日程も決定し逼迫していますので、ぜひお願いします。」
との事で研修はスタートしました。
さて、当日は予想していました通り、受講者のモチベーション
は非常に低いものでした。
講師大森は、マイナスのオーラと立ち向かいながら、、
1日誠心誠意、対応しました。
研修の中では、もちろん依頼された内容に準拠しながら、
ケースワークや意見交換をしていただきました。
しかし、議論の中身を聴いていますと、ただこなしているだけで
学ぶという姿勢は全くありませんでした。
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□◆ 一刀両断と瞬時退散
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営業やソリューションの話も程ほどにしながら、、
その間に挟みました内容は彼らのマイナスオーラへの
意見と、彼らが現在おかれている環境への意識改革でした。
この種の社員でよく言われる発言(愚痴)を2つ程ご紹介します。
その1
私はまだ「飯を食べていかなければいけないので、この会社に居座るしか、
ないのです。いいですよ、先生は独立して。」
「○○さん、日本ほど社会保障制度の行き届いた国はないですよ。
インドでは何千人もの子供達が今日の晩ごはんの為に、
信号停止の車を捕まえて窓ふきの仕事を命がけでしています。
こういう人こそが、「飯を食べなければいけない」と言えるのです。
日本という国は、今日の夕飯に困る前に助けてくれるすばらしい国なのです」
その2
「今更営業なんてできる訳がないじゃないですか。」
「できるか?できないかは貴殿の判断ではありません。
「やる前からできない」と言うのでしたら、もう営業も会社もやめたら
どうですか?
それともう一点、営業なんてというと、今一生懸命同じ社内で営業を
頑張っておられる方に対して失礼だと思いませんか?」
こんな話をして、愚痴は「一刀両断」して「瞬時に退散」します。
研修は一期一会、殆んどのケースが最初で最後ですので、
客観的な意見で思いっきり相手の心に刺し、そして瞬時に退散するのです。
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□◆ 心に刺す言葉でできた意識改革
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私が退職後もお付き合いをいただいているとっても
縁のある東北のある方からこんなお話しをしたただきました。
「大森さん、あなたの研修での言葉、その場ではあまり痛みを感じませんが
後で、じわじわと効いてきますね。」
「え?そうですか?そんなつもりはないのですが、、、」
「3回の研修で1回目の面談の時は、正直小生意気な奴と思って
いました。でも今は年相応である自分を振り返り、考えを変えなければ
いけない事を気づかせていただけたと感謝しています。」
「いえいえ恐れ多い、私の想いを受け入れていただきありがとう
ございます。
私が「人として」や「仕事とは」を語るにはまだまだ修行が足らないですが、
ここぞ、という時にはお話しするようにしています。
「なぜ生きる、なぜ働く」の視点から
外部の眼でぐさっと刺せば、人は変わる必要性を感じていただける
可能性はかなり高くなります。
世の中「環境に変化する意識を持つ者」だけ生き残れるのです。
◆◇– 【ごあいさつ】 —————————————-◆◇
『 経営力を高める営業再設計コラム』にご登録いただき
ありがとうございます。
そして、最後までお読みいただきありがとうございました。
月に2回(原則1日と15日)ではありますが、経営者・営業マンへの
やる気メッセージになれば幸いです。
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