経営力を高める為の営業再設計コラム ~ 明日の営業力を高める気づきをめざして ~
2018.08.01 第95回 一流営業マンが心がけるトラブル削減対策
懇意にさせて頂いている某営業マンと
夜のカウンターでの一コマ。
「ここ数ケ月、トラブルシューティングに追われ
疲れました」
(大森は笑顔で)
「そうですね。なんとなく疲れ感が漂っています。
今日は、しっかりと聴きますからお話しください」
「何度も、顧客に謝ってばかり…」
(しばらく愚痴を聞いた後)
「トラブル対処の学習効果がでていないのですね」
「な!なんですか!! その学習効果とは?」
それは
トラブルを「先読みする力」です。
例えば、営業マンは受注をしますと
顧客への対応がおろそかになりがちです。
私も現役時代、受注の喜びでその後手薄となり
顧客からこんな言葉を言われたことがあります。
「忙しいのですね」
「最近は、来てくれませんね」
顧客からでるこれらの言葉はトラブルの前兆です。
これ以外にも
契約後、突然の解約申し入れ
システムトラブルによる想定外の損失
人的ミスによる感情論 等
しかし、これらには必ず原因があります。
労働災害における経験則のひとつに
「ハインリッヒの法則」があります。
1つの重大事故に対して、29の軽微な事故があり
その背景には300の小さなトラブル(ヒヤリハット)が
存在するという事です。
これを営業活動におきかえてみます。
営業マンは、活動中にトラブルが発生すると、
その原因と今後の対策を考える。
この対策をこれからの営業活動に中で
どうすれば先読みできるか考える。
この先読み意識の向上から事前に
トラブルを予測する事が可能になります。
コールセンターのシステムを販売する営業マンAさん。
彼は、いつも担当顧客の状況を見ながら、
どの段階で、顧客が何を要求してくるのか?
常に予測し、先回りをするようにしています。
最初、彼はなぜ顧客から怒られるのかが不明でした。
しかし、最近は顧客が必要とする
エージェント(電話の受け数)を
宣伝内容や前年対比から洞察、先回りして
提案する事によりトラブルがなくなりました。
これらは、経験則から生まれた賜物です。
新たなトラブルが発生する前に、先読みをして
訪問が無理でも、メールや電話でフォローする。
貴殿には、トラブルが発生する前に経験則を生かし、
どんな事でも対応できる準備ができていますか?
今回も最後まで、読んでくださりありがとうございました。