経営力を高める為の営業再設計コラム ~ 明日の営業力を高める気づきをめざして ~
2015.06.01 第19回 営業マンが「コンサルティング力」を高める2つの意識
━【 今回のテーマ 】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
営業マンが「コンサルティング力」を高める2つの意識
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先日、ある社長さんが私にご相談に来られました。
社長さん言
「弊社は取扱い商品の付加価値を高めるために大森さんの
言うソリューションやコンサルティングをめざした
営業活動をするように、営業マンに「はっぱ」をかけて
いるのですが彼らにはどうも抵抗感があるようです。」
加えて、
「先日の会議でもソリューション商材で殆んど実績が
でていないので、どうしたものか?と思い
ベテランの営業マンに問いただしてみましたら、」
営業マン言
「ソリューションは、知識もなくお客様から質問を受けると
答えることができないので、正直不安なのです。
だから、こちらから紹介をする事もしません。」
この会社の営業マンは10名、内ベテランの方ほど、
ソリューションという意識が希薄とのことでした。
この社長さんは、彼らの話に失望して、
「手のうちようがない」という感じでした。
そこで私は、営業マンにコンサルティング力を
高めてもらう為の提言をさせていただきました。
それは、顧客に向けて2つの意識を持っていただく
ことです。
その2つの意識とは
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□◆ 顧客の事業内容に興味をもつ
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まず、一つめは
自分が売りたいと考える前に、顧客に興味を持つことです。
これは一見簡単なことのようですが、ご自身や自社製品の売り込み
ばかりでこの基本ができていない営業マンが多いのに驚いています。
具体的には
顧客は何やさんなのか?
従業員は何人いるのか?
主なお客様はだれなのか?
といった内容です。
例えば「顧客は何やさんか?」ですが
名前や外観だけでそれを鵜呑みしている例をたくさん
見てきました。
「○○製作所」という社名ですが、実際は商社機能が8割だった。
「道の駅△△」という看板ですが、主な事業は水の製造販売だった。
「文具□□」という名前ですが、売上の主は不動産収入だった。
会社名やお店の看板を見て判断しないことです。
ここは、顧客に興味をもって質問してみないとわかりません。
質問の仕方は単純
「今の事業の主な収益はどこからですか?」
この質問から少しづつ掘り下げていくのです。
加えて、時代の変化と共に顧客の事業内容も変化しています
・事業別売上の構成比はどのようになっているのか?
・伸びている部門と伸び悩んでいる部門はどこ?
・今後の具体的な対策についてはどのように
考えているのか?
このあたりの会社の経営状況を真摯にお伺いする姿勢を
もつことです。
顧客の今の状況を正しく把握せずして、コンサルティング力を
高めることはできません。
「売り込み」の前に素直な気落ちで顧客に興味をもつことです。
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□◆ 面談者を好きになる
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2つめの意識は「面談している担当者を好きになる」です。
営業と聞くとどうしても買ってもらうための駆け引きを
しなければいけない。と考えがちです。
又「買います」の言質を貰うために、説得する論法を
すぐに考えてしまいます。
当然、相手も「売り込まれる」と身構えてしまいます。
ここは難しく考えないで、素直に担当者に対して好きになる
興味のポイントを探すことです。
買っていただく為の方策(戦略)はその次なのです。
もちろん、営業マンも人間ですから、好き嫌いや
あう・あわないがあって当然です。
しかし、ソリューションというサービスを販売する以上、
どんな担当者であっても、その方のよいところを見つけて
好意を持つ努力をすることが大切です。
私が大切にしていることに、商談を含めた会話の中で
「どれだけ一緒に笑えるか」があります。
笑いは人と人との潤滑油です。
仕事の話だけでは息が詰まります。
営業マンが顧客の担当者を好きにならなくて、担当者が
好意をもってくれる訳がありません。
嫌なところに眼をやるのではなく、良さを認め素直にほめる。
できれば、笑顔と大きな声で!
どれだけ、相手のことを好きになって話をしているか?
自問してみませんか?
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□◆ 紙に手書きで向き合う意味
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相談に来られた社長さんには、私が活用している
事業計画書からの抜粋版をお土産に渡しました。
抜粋した内容は、顧客の概要と組織図そして担当者の
プロフィール欄です。
大森言
「まずは、30分でいいですから、このフォームに手書きで
営業マンに書いてもらいませんか?」
手書きです。PCに向うと他の仕事を思い出したり、
ネットで情報を下手に検索したりする可能性があります。
必ず、紙に手書きでお願いしてください。」
営業活動の中で怖いのが、このマンネリです。
このマンネリを打破する事がコンサルティング営業を
推進する、企業に与える大きなインパクトなのです。
大森さらに言
「そして、途中書けない箇所があれば、そこを次回の訪問時に
ヒアリングしてみるようにお話ししていただけませんか?
又、なぜ聞かなければばいけないのか?
質問する意図や背景
この辺を自問させてください。」
大森締めの言
「その中から、今の営業スタイルのままの人、
新たな気持ちでソリューションやコンサルティングを
めざす営業に脱皮できる営業マン、
が見えてきます。
次回は、営業マンが書いた内容を基本に考えてみませんか?」
社長さんは、なんとなく次の一手が見えたようで
安堵したようです。
この会社には、きっといい方向が見えてくると確信しています。
最後までお読み頂きありがとうございました。