経営力を高める為の営業再設計コラム ~ 明日の営業力を高める気づきをめざして ~
2015.05.15 第18回 中小企業診断士とコンサルティング営業
━【 今回のテーマ 】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
中小企業診断士とコンサルティング営業
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先日10数年ぶりに、私の地元兵庫県三田市に私と同年代の
中小企業診断士仲間が仕事でやってくるということで、
意見交換をする機会がありました。
彼は私が独立した際に、ご祝儀で始めて仕事をくださった方で
そのご恩は今でも忘れていません。
中国語でいう「吃水不忘控人」
(水をくれた人のことを忘れてはいけない。)の気持ちです。
私も独立当初は診断士のミッションである、国や都道府県が
実施する中小企業支援施策のご支援が中心でした。
流通業と情報・通信分野での経験だけで最初はどうなるのだろうか?
これからお金のかかる3人の娘(当時長女は高校2年、次女が高校1年)
を養っていけるのだろうか?という不安にかられながらの独立でした。
今でもその時の気持ちを忘れないように、事務所の壁には高校から頂いた
長女と次女の学費免除の通知書を張り付けています。
独立以降、行政関係の仕事は後輩に譲りながら自分のめざす道を
探しながら夢を追い続けてきました。
おかげさまで、独立後も山谷はありましたが、
なんとか順風満帆で進むことができました。
そういう意味でも、彼は本当に感謝すべき方です。
彼のすばらしいところは、市場の動きを把握する能力に加えて、
年度毎に実施する行政施策や人事・組織に関しても
「どうしてそんなに」と思うくらい情報収集していることです。
そんな彼との会話の中で、これから診断士をめざす、もしくは
診断士の資格取得での一番のメリットは仕事をすることではなく、、
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□◆ 中小企業診断士という資格の意義と意味
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新たな人脈から得られる自分への気づきであることが
わかりました。
独立当初は家族を養うために仕事がほしかった。
いや、営業支援という仕事をする限りにおいては
「受注」が全てという認識をもっていました。
しかし、彼との接点の中から「売上至上」ではなく
新しい人との接点やその勉強会や交流会の中から
得られるものが、最大の資産であることに気づきました。
そこで、私は診断協会の様々な仕事に自ら手をあげて
取り組んできました。
・情報化時代を先取りする新しい勉強会の立ちあげ
・企画重視の新しい受託活動
・組織の活性化を図る為の新しいルールづくり
特に、受託業務の支援の中からたくさんの行政機関の方
とのご縁と診断士仲間の刺激が今の自分を育ててくれた
ことに間違いありません。
そういう意味で、資格取得は新たな人脈形成の手段であって
目標ではありません。
当然のことなのですが、今さらながらそのことに
気がつかされました。
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□◆ 資格をめざすことは単なるひとつのステップ
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その後、民間の仕事に移行しながら営業、特に法人営業マンに
ソリューションやコンサルティング力をつける人材育成と
そのしくみづくりに注力してきました。
ある法人営業マンがいます。
彼は会社が取り扱う商品やサービスの良さで、それなりに
売れていたのですが、それは自分の実力だと勘違いしていました。
ある日彼は、私との話の中から自分は顧客から言われたことを
ただ忠実にこなしていただけで、自分の実力ではないことに
気づきました。
その後彼は、コンサルティングを意識した一歩先読みをする営業活動を
心がけ、社内の昇格試験を全てストレートで合格、再び面談した際
めざすものがなくなっていました。
その彼に私は、経営センス向上をめざすなら診断士、システム系で
専門家をめざすならITストラテジストを目標に、と提言し
現在彼は診断士をめざして勉強しています。
彼との2度の節目の出会いの中で、「売上」だけではなく
自分の新たな能力に挑戦する環境を求めることで、さらに
飛躍していく姿を見ることができました。
大切なことは売上至上ではなく、自分が挑戦できる資格目標を
意識しながら、日々の営業活動に邁進することです。
挑戦は資格でなくてもかまいません。
「めざす人」や「夢を求める」でもかまいません。
大切なことはその気持ちを持続する環境を自らつくることです。
でも、これはキャリアアップの為のひとつのステップであることも
忘れてはいけません。
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□◆ 新しい挑戦から育むコンサルティングセンス
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お酒の席でも彼がもっている人的ネットワークの
情報が、それは驚く程次から次からでてきました。
名古屋での2年間、東京での1年間の単身赴任生活もされており
人脈の広さには今更ながら敬服の一言です。
そんな彼が三田に来るのならと、ご縁のある方が
集まってこられました。
その証に、私も行政施策でご支援した「某カラオケ店」
「人材派遣で汗をかく某女性」「野菜を販売する本屋さん」など
たくさんの企業さんが集まってきました。
そして、私も地元で本当にたくさんの小売店の方とご縁を頂いて
いることに改めて気づきました。
彼が私に与えてくれた人と人を繋ぐ中から新しいビジネスを生む、
そのお手伝いをこれからも意識して、新たな発想が組織の中に
芽生えるようにしていきます。
貴社は営業マンに新たな能力を提供する環境を意識して
提供していますか?
営業マンは顧客に人と人を繋ぐご支援を通じた自身の能力育成を
考えていますか?
資格や夢の実現を目指す中から自身のキャリアアップを
考えてみませんか?
それがコンサルティングセンスを磨くひとつの方法であることは
間違いありませんし、成功する人の共通点でもあります。
最後まで、お読み頂きありがとうございました。