経営力を高める為の営業再設計コラム ~ 明日の営業力を高める気づきをめざして ~
2021.08.01 第167回 「経営戦略」と「DX戦略」…この関係は?
━【 今回のテーマ 】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「経営戦略」と「DX戦略」…この関係は?
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「経営トップからわが社のDX戦略を立案しろと…」
オリンピック直前、緊急事態宣言の中
東京某社の研修で受講生からでた嘆きの一言です。
どうやら、経営者もよく分からない中、
時代の流れに乗り遅れてはいけない!と
「DX戦略推進室」を設けたようです。
IT企業やマスコミが頻繁に使う
「○○DX」といった言葉に振り回された感です。
彼の嘆きの後、こんな言葉からスタートしました。
「まず、戦略室としてのミッションと範囲をスコープしませんか?」
日本の経営者は、「戦略」という言葉をよく使います。
使うとなんとなく、かっこいいのでしょうか?
それとも経営者は、戦略立案が仕事と
思っていないのでしょうか?
いずれにしても、経営戦略とDX戦略を混在して
相談される事は今回に限ったことではありません。
このコラム第165回でも申しましたが、
DXは会社を永続していくための手段のひとつです。
そして、その手段をどのように選択し、遂行していくか?
これは戦略ではなく、戦術です。
戦略もないまま、戦術や組織を議論しても
意味がありません。
加えて残念な事は、
経営者がよくわからないままに組織にハコ(部門)を設け、
上司から「何か考えろ!」と無茶ぶりされる。
担当者としては、まず種々の研修を受けて
情報取集が最初の仕事でした。
彼への助言として、
経営理念やビジョン、本年度の事業方針から
DXをどのように位置づけるかを考え、
その範囲をスコープし明確にする。
位置づけと範囲が決まると
ツール/ビジネスモデル/収益構造の変革
これらの中でどこから取り組むのかが
具体的に見えてきます。
この2つのテーマを
経営者にコミットして進める事が肝要です。
貴方の会社は、DX戦略ありきではなく、
経営戦略に基づき、その活用に向けた戦術や計画ができていますか?
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。